法律資格について

 司法試験に受かれば弁護士になれるというのは多くの人が知っていることですが、司法書士や行政書士についてはあまり知られていません。3つとも法律系の難関資格ですが、試験制度や業務などにはどのような違いがあるのでしょうか


 まず行政書士ですが、国家試験(行政書士試験)は1年に1回行われ、受験資格は特にありません。科目は一般知識の他に、憲法・基礎法学・民法・行政法・商法/会社法があり、筆記試験には択一問題と記述式問題が出題されます。合格率は10%ほどで、士業の中でも比較的取得しやすい資格です。


 司法書士も国家試験(司法書士試験)が1年に1回行われ、受験資格はありません。科目は多くあり、憲法・民法・商法・刑法・民事執行法・民事訴訟法・民事保全法・不動産登記法・商業登記法・司法書士法・供託法です。筆記試験には択一問題と記述式問題が出題され、合格率は3%ほどです。


 弁護士の場合は国家試験(司法試験)が1年に1回行われ、受験資格があり、法科大学院修了者または予備試験合格者です。科目は、憲法・民法・行政法・刑法・商法/会社法・刑事訴訟法・民事訴訟法・選択科目です。4日間に渡って短答式と論文式の試験が全科目で行われ、合格率は23%ほどです。


 行政書士試験、司法書士試験、司法試験の順にステップアップしていく人も多く、法律系の資格の中では最も難しいのが司法試験です。

業務内容

 続いて業務内容についてですが、行政書士は書類作成のプロと呼ばれています。扱える書類の種類は1万にもなり、主には官公署に提出する書類を作成するのが仕事です。

司法書士は主に商業登記や不動産登記の手続きを行っています。登記というのは、会社や不動産の情報を公に記録することをいいます。


 弁護士は行政書士と司法書士の業務も行い、取扱う法律の幅は一番大きなものです。法律の専門家であり、一般の人々に対して法的なサポートを提供するのが仕事です。企業に関わる様々な案件やアドバイスにおいても、必要とされる立場にあります。